icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻6号

1988年06月発行

文献概要

特集 第41回日本臨床眼科学会講演集 (5) 学会原著

レーザー前房蛋白・細胞測定装置による眼内レンズ挿入術後炎症の臨床的検討

著者: 澤充1 釣巻穣1 水流忠彦1 清水昊幸1

所属機関: 1自治医科大学眼科

ページ範囲:P.665 - P.668

文献購入ページに移動
 レーザー前房蛋白・細胞測定装置及びフルオロフォトメトリーにより計画的嚢外摘出術・後房眼内レンズ挿入術の術後炎症についての検討を行った.対象は計画的嚢外摘出術・後房眼内レンズ挿入術を行った38例(老人性白内障37例,外傷性白内障1例)であり,測定対象期間は術後7日間,術6又は7日目にフルオレセインナトリウム1mg/体重kg静注法によるフルオロフォトメトリーを行った.術後,前房蛋白・細胞測定装置により4日以上検査を行い得た症例中フィブリン非析出例18例,析出例10例であった.フィブリン非析出例では術後経過と共に前房蛋白,細胞数共に減少をみた.フィブリン析出例では術翌日析出例2例と外傷性白内障1例を除く7例でフィブリン析出と共に蛋白濃度の上昇を認めた.前房蛋白濃度とフルオロフォトメトリーによる房水/血液フルオレセイン濃度比との間には有意の相関(r=0.603,p=0.000)を認めた.
 レーザー前房蛋白・細胞測定装置は術後炎症経過の定量的検討に有用であり,その結果,眼内レンズ挿入術後眼の術後フィブリン析出例では析出に一致して蛋白濃度の上昇がみられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?