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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻6号

1988年06月発行

文献概要

特集 第41回日本臨床眼科学会講演集 (5) 学術展示

偽落屑症候群での血液房水柵

著者: 多田博行1 高橋直人1 木村保孝1 沼賀哲郎1 米谷新1

所属機関: 1群馬大学

ページ範囲:P.698 - P.699

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 緒言 偽落屑症候群は,水晶体前嚢に膜様物質が沈着するだけではなく,隅角への色素沈着,毛様体表面の膜様沈着など,前眼部の組織に広く病変が生じる疾患である.片眼性に起こることが多いが,毛様体鏡cycloscopyによる検索で,片眼性の症例の他眼にも77%の高頻度で落屑物質の毛様突起への沈着が観察された報告があり1),潜在的には両眼性である可能性も推定されている.本症は緑内障を併発しやすいことがその大きな特徴であるが,その具体的な機序はまだ明確ではない.また,本症での前眼部螢光撮影法による観察では,虹彩血管や虹彩新生血管からの螢光漏出があることが報告されている2,3).これらの事情から,本症では,房水の性状に異常があるために,臨床的に観察されるような多彩な所見が生じることが強く推定されるのであり,この房水異常と関連して,血液房水柵に障害のある可能性が大きい.この問題を解明する一つの方法として,われわれは片眼性の本症に対して,前眼部螢光測定法anterior segment fluoro-photometryを行い,本症では血液房水柵に異常のあることを観察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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