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臨床報告
VDT作業による眼精疲労に対する鍼刺激—眼の調節機能低下に及ぼす影響について
著者: 西田章通1 中村辰三1 安藤文紀2
所属機関: 1明治鍼灸柔道整復専門学校 2明治鍼灸大学臨床医学教室
ページ範囲:P.712 - P.716
文献購入ページに移動30歳台の男女7名にパーソナル・コンピューターを使用して漢字探索のVDT作業を1時間行わせた.定量的な指標としてaccommodo poly-recorderを用いて,調節緊張時間,調節弛緩時間および調節近点距離を測定した.
対照群としてはVDT作業前後,以後安静30分ごとに2回の計4時点での測定を行い,鍼刺激群としては作業後の測定の直後に左右の太陽穴と攅竹穴の経穴に15分間の低周波置鍼療法を加え,他は対照群と同様に行い検討を試みた.
その結果,鍼刺激群においては,VDT作業による調節緊張時間,調節弛緩時間の遅延および調節近点距離の延長,すなわち調節機能低下に有意の改善がみられ,早期に回復する傾向を示した.
以上のことより,鍼治療はVDT作業による眼の調節機能低下に対して,臨床においての効果が期待されるものと考える.
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