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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻6号

1988年06月発行

文献概要

臨床報告

計画的嚢外法の術後に生じた脈絡膜剥離を主病変とする交感性眼炎の1例

著者: 米山高仁1 今泉利雄1 田澤豊1

所属機関: 1岩手医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.717 - P.719

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 老人性白内障の手術後に生じた交感性眼炎と思われる1例を報告した.症例は59歳の男性,右眼老人性白内障に対する計画的嚢外摘出術の約2カ月後に,両眼に脈絡膜剥離を主病変とするぶどう膜炎を発症した.ステロイド剤の全身投与により炎症の消褪を見たが,右眼底は網膜色素の脱失による夕焼け状眼底を呈した.その後,左水晶体を嚢内摘出したが,眼底は右眼と同様の夕焼け状であった.本症例のHLAはA24,B51,Bw60,DRw9であり,免疫学的反応を来しやすい体質に,嚢外法摘出時の虹彩脱出による虹彩色素の遊出と残留皮質が関与して,交感性眼炎が発症したものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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