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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻6号

1988年06月発行

文献概要

臨床報告

フリードマン視野計を利用した自己視野検査法による緑内障スクリーニング

著者: 菅尾光子1 張野正誉1 岡本茂樹1 原二郎1 宗平智子1 前田美和子1 寺野正子1 檀上真次2 田中康夫

所属機関: 1近畿中央病院眼科 2大阪大学眼科

ページ範囲:P.733 - P.737

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 近畿中央病院人間ドックで,Friedmannvisual field analyser (フリードマン視野計)を利用した被検者同士による自己視野検査法を用いた緑内障スクリーニングを行った.被検者は2人1組で発光時に認めた小孔の数を互いに記録し,視能訓練士(ORT)が記録用紙に書かれた数のみで判定した.異常があれば,ORTがフリードマン視野計で再検し,フリードマン視野計での異常が確認されれば,ゴールドマン視野検査を行い,さらに異常があれば,医師が精査を行った.1985年9月より1987年3月までに人間ドックに入院した6,738人のうち,スクリーニングを受けたのは4,426人で,このうちフリードマン視野計で異常が確認されたのは60眼(0.7%)であった.そのうち,さらにゴールドマン視野検査で異常が証明されたのは46眼(0.5%)で,このうち26眼(0.3%)が緑内障性視野変化と診断された.スクリーニング陽性者中の緑内障検出率が43%(26/60眼)と高率で,限られた時間で進行例を見逃さない能率的な利用価値の高いスクリーニング法と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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