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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻7号

1988年07月発行

文献概要

特集 第41回日本臨床眼科学会講演集 (6) 学会原著

網膜剥離手術後の角膜知覚の経時的観察

著者: 須藤伸1

所属機関: 1横浜市立大学眼科学教室

ページ範囲:P.775 - P.779

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 片眼の網膜剥離手術症例63例を対象に,両眼の角膜知覚を,術前,術後1週から18カ月までの所定時期で観察した.術後の知覚の変化は,同一症例の非手術眼と手術眼の角膜知覚閾値の差を術後の知覚低下値として求め,諸条件下での比較を行った.輪状締結術,部分的バックリングを施した両群とも術後18カ月まで有意に角膜知覚は障害されていた.両者を合わせた全症例群を統計的にみると,術後3カ月と6カ月との間で角膜知覚は有意に回復した.輪状締結術について,凝固を施さない部分での知覚をみたところ,シリコンの強膜への縫着単独では,通常の圧迫程度であれば,9カ月以降その影響はほとんどない結果をえた.ジアテルミー凝固と冷凍凝固を比較すると,角膜知覚に与える影響は,9カ月以降では,ジアテルミー凝固の方が,強い傾向を示した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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