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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻7号

1988年07月発行

文献概要

特集 第41回日本臨床眼科学会講演集 (6) 学会原著

長期に観察し得たAniridia-Wilms腫瘍症候群の1例

著者: 大島崇1 西川朋子1 平形恭子1 小川旬子1 柿澤至恕2 佐伯守洋3

所属機関: 1国立小児病院眼科 2国立小児病院泌尿器科 3国立小児病院外科

ページ範囲:P.793 - P.796

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 Aniridia-Wilms腫瘍症候群は稀な疾患である上,悪性腫瘍を合併するため長期観察が困難で,本邦では年長者の報告が見られない.我々は生後3カ月から15歳の今日まで,経過を観察し得た貴重な症例を経験したので,若干の考察を加え報告する.
 症例 は1971年12月生まれの男児で,生後3ヵ月,角膜混濁と羞明を主訴として当院眼科を訪れ,先天無虹彩と角膜混濁を指摘された.全麻下検査では角膜11.5mmとやや拡大していたが,眼圧,17mmHgで乳頭陥凹もないため経過を観察していた.5カ月より角膜混濁減少し,追視が始まったが,知能障害のため視力測定は7歳までできなかった.黄斑部低形成,眼振,小さな後極白内障が見られ,その後視力は0.1-0.2である.8歳頃より眼圧上昇が認められたが,1%ピロカルピン点眼で正常化し,乳頭陥凹も認められない.全身的には尿道下裂,停留こう丸が指摘されていたが,1歳5カ月のとき腹部腫瘤が出現し,右腎,つづいて左腎に腫瘍が認められ右腎,左腎3/4が切除されている.再発はないが,本年に入って腎不全となり腎透析が行われている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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