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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻7号

1988年07月発行

文献概要

特集 第41回日本臨床眼科学会講演集 (6) 学会原著

赤錐体一色型色覚の所見を呈した1例

著者: 北原健二1 神立敦1 環龍太郎1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学眼科

ページ範囲:P.797 - P.799

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 等色実験の結果,一種類の原刺激であらゆる検査色光と完全等色が成立し,その分光感度が赤錐体の特性を示したことから,赤錐体一色型色覚と診断された1例について報告した.
 本症例は先天性赤緑異常と診断されていたが,視力良好にもかかわらず,各種検査表に応答不能が多く,青黄異常検出表も判読不能であった.さらに,色相配列検査における色相混同軸が第2異常からややscotopic軸寄りに存在し,通常の赤緑異常とは性質を異にしていた.また,視野検査において内部イソプターの著しい狭窄が示され,周辺部における杆体系の機能異常も示唆された.さらに,中心部における暗順応曲線は2相性であり,2種類のメカニズムの存在が示され,これらの回復速度から本症例では網膜中心部に赤錐体系とともに杆体系の反応を有しているものと推察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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