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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻7号

1988年07月発行

文献概要

特集 第41回日本臨床眼科学会講演集 (6) 学会原著

左右眼で重症度の著しく異なったAxenfeld-Rieger syndromeの1例

著者: 田村充弘1 中塚和夫1 岩元義信2 松鵜嘉文

所属機関: 1大分医科大学眼科学講座 2大分県立病院

ページ範囲:P.819 - P.822

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 左右眼で隅角所見及び重症度の著しく異なったAxenfeld-Rieger syndromeの1例を報告した.また左眼に対しては隅角部の病理組織学的検索を行った.
 症例 は16歳の女性で,前方偏位し突出したシュワルベ線,虹彩実質の萎縮が両眼に認められた.隅角では右眼にはシュワルベ線に達するirisstrandが全周に認められたが,左眼ではirisstrandはほとんど認められなかった.しかし右眼の眼圧上昇は軽度であったのに対し,左眼では著明な眼圧上昇とそれによる重篤な視機能障害が認められた.薬物療法による左眼の眼圧コントロールが困難なためtrabeculectomyを行った.
 左眼隅角部の病理組織学的所見として,シュレム管の欠如,著明な線維柱帯の低形成が認められた.
 以上の所見より,本症の緑内障合併機序として隅角形成不全が強く示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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