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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻8号

1988年08月発行

文献概要

連載 眼の組織・病理アトラス・22

母斑細胞性母斑

著者: 猪俣孟1

所属機関: 1九州大学

ページ範囲:P.906 - P.907

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 母斑nevusは皮膚の先天性奇形で,幼少時より存在する扁平あるいは隆起した色素斑をいう.しばしば肉眼的に黒褐色を呈するので,色素性母斑pigmented nevus,俗に黒子「こくし」または「ほくろ」とも呼ばれる.母斑がメラニン色素を産生するメラニン細胞から構成されているためである.母斑を形成するメラニン細胞を母斑細胞と呼び,母斑細胞からなる母斑を母斑細胞性母斑nevocel-lular nevusと呼ぶ.母斑細胞(メラニン細胞)は神経堤neural crestに由来し,皮膚や結膜上皮の基底細胞層と上皮下組織に存在する.細胞内にメラニンの前段階であるドーパ(3,4-di-hydoxyphenylalanine)の存在が証明される.
 眼科領域では,母斑細胞性母斑は眼瞼の皮膚や球結膜に比較的高頻度に認められる.眼瞼では,疣贅状に隆起した色素斑として中高齢者に多くみられる(図1).球結膜では,褐色でやや隆起した色素斑として若年者にみられることが多い(図2).母細胞から産生されるメラニン色素の量は症例によりまちまちである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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