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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻8号

1988年08月発行

文献概要

臨床報告

硝子体中の水痘・帯状ヘルペスウイルス抗体価高値を示した非定型的桐沢型ぶどう膜炎の1例

著者: 杉浦寅男1 宮澤裕之1 浅井利通1 上総良三1

所属機関: 1神戸大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.937 - P.940

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 急性の激しいぶどう膜炎と強い硝子体混濁で発症し,眼底透見不能のまま網膜剥離をきたした症例に対し,硝子体中のウイルス学的検索を行った.
 本症例では,硝子体の水痘・帯状ヘルペスウイルス抗体価が64倍の高値を示し,血清の値と比較した抗体率では135と有意の上昇を示した.術後眼底所見では閉塞性動脈炎や網膜浸出斑を認めず,本症例を非定型的桐沢型ぶどう膜炎と診断した.
 桐沢型ぶどう膜炎は種々の病態を呈することが示唆され,原因不明のぶどう膜炎において,眼内液のウイルス抗体率を算出することにより,確定診断上有力な情報が得られると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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