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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻8号

1988年08月発行

文献概要

臨床報告

内因性真菌性眼内炎に対する硝子体手術の意義

著者: 吉田晃敏1 秋葉純1 小笠原博宣1 広川博之1 福井康夫1

所属機関: 1旭川医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.941 - P.946

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 近年増加傾向にある内因性真菌性眼内炎に対する硝子体手術の意義と,この術式を本症のどの時期に行うべきかについて,我々の経験した症例を基に考察した.本症に対する硝子体手術の意義は,①確定診断,②病巣である硝子体ゲルの除去,③全身投与した薬物の眼球内移行促進,そして④硝子体網膜牽引の解除という4点にある.本症の初期例に対しては,まず抗真菌剤の全身投与を行い,速やかに病巣の鎮静化をはかることが肝要である.しかし,眼内病変の遷延化例や,病変の主座が硝子体内に移行しさらに硝子体網膜牽引が生じた症例に対しては,早急に硝子体手術を施行するのが望ましいと考える.さらに全身的合併症のため,抗真菌剤の長期投与が不可能と考えられる症例に対しても,硝子体手術を積極的に考慮すべきと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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