icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻8号

1988年08月発行

文献概要

最新海外文献情報

神経眼科/レーザー眼科

著者: 若倉雅登1

所属機関: 1北里大

ページ範囲:P.974 - P.975

文献購入ページに移動
Frick E : Optic neuritis and multiple sclerosis. Cell-mediated cytotoxicity by peripheral blood lymphocytes against basic protein of myelin, encephalitogenic peptide, cerebrosides and gan-gliosides. Eur Neurol 28 : 120-125,1988.
 多発性硬化症(MS)と特発性の視神経炎(ON)は同一スペクトルムにある疾患かあるいは互いに別物かは議論のあるところである.しかし一般には相似の免疫病理学的基盤があると考えられている.この著者はMS患者やON発症初期の患者にミエリン塩基蛋白(BP)に対する抗体依存性リンパ球細胞障害があることを示してきた.MSにおいては脳炎起炎性ペプチド(encepha-litogenic peptide=EP)に対しても同様のことがいえるので,ONについてはどうか調べたのが本研究の主たる目的である.同じ患者から集めた血液中のTリンパ球を分離し,表題の各抗原を塗布し51Crで標識した標的細胞と,効果細胞とを1対50の割で培養液中に5時間置き上清中に放出された51Cr活性を,細胞障害の程度をあらわすものとした.この結果MSの再発やONを有するMSでEPでの細胞障害性は高かった.ONでは病初期,両眼性例,再発例で上記抗原での細胞障害性が高く,EPが他の神経疾患では細胞障害性を示さないことからも,ONのEPでの細胞障害性の存在はMSの初期を示唆する有力な所見だと結論した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら