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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻8号

1988年08月発行

文献概要

臨床報告

側副血行路の形成を認めた網膜動脈分枝閉塞症

著者: 大久保潔1 竹内晴子1 川上淳子1

所属機関: 1神戸大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.985 - P.989

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 57歳の男性の左眼に再発した閃輝性栓子による網膜動脈分枝閉塞症において,それぞれ別個に形成された側副血行路について報告し,これまでに報告された網膜動脈(分枝)閉塞症後の側副血行路の形成例についても検討を加えた.
 網膜動脈(分枝)閉塞症後の側副血行路には従来,網膜血管系と脈絡膜血管系を結ぶものと網膜血管系内で形成されるものとの2つの様式が知られていたが,自験例より網膜血管系内の側副血行路は,さらに同一網膜動脈分枝内で形成される順行性のもの,および隣接した動脈分枝との間に形成されるものとの2つの様式に細分できることを示した.そして,側副血行路の形成については,閉塞部位の中枢側と末梢側における網膜還流圧差が大きな要因となり得るものと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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