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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科42巻8号

1988年08月発行

文献概要

臨床報告

開放隅角緑内障に対するNd:YAGレーザー隅角線維柱帯照射

著者: 吉川啓司1 馬場裕行1 越智利行1 井上トヨ子1 井上洋一1

所属機関: 1オリンピア・クリニック眼科

ページ範囲:P.998 - P.1002

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 開放隅角緑内障21例27眼に対してYAGレーザー隅角線維柱帯照射を行い平均約26週間の経過を観察した.27眼中26眼で眼圧は治療後に低下し,さらに27眼中16眼(59.3%)では臨床的に有用と考えられる眼圧下降効果を得た.このうち,9眼では照射後に眼圧下降薬剤を中止ないし減量し得,また40歳以下の若年者でも眼圧の有意な低下例を認めた.合併症として照射時の疼痛を6例に,照射後の軽度の虹彩炎は全例に,一過性の眼圧上昇を3眼に認めたが,いずれも軽度に留まつた.
 以上より,今後効果持続期間,照射方法など検討する点はあるものの,YAG隅角照射治療は開放隅角緑内障眼に対する治療として有望であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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