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急性梅毒性網脈絡膜炎と考えられる3例を経験した。3例とも片眼性で,急性に発症し,高度の視力低下を呈した。眼底所見は後極部を中心に,境界鮮明な4〜7乳頭径のほぼ円形な黄白色調の網脈絡膜混濁が存在した。また螢光眼底造影所見では,病変部に一致した螢光色素の貯溜があり,網膜色素上皮剥離様の所見を呈していた。ステロイドの局所投与には反応せず,放置すると確実に増悪した。梅毒定量検査が強陽性を示し,全身所見より第2期梅毒における後天性梅毒性網脈絡膜炎と診断した。ペニシリン系の抗生物質の投与にて著効を呈し,視力の回復も良好であった。3例とも極めて共通した臨床所見と経過を呈しており,過去にあまり報告のない急性梅毒性網脈絡膜炎の一型と考えられた。
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