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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻1号

1989年01月発行

文献概要

臨床報告

広範な脈絡膜循環障害を伴った多発性後極部色素上皮症の1例

著者: 溝口尚則1 楠木裕子1 松永伸彦1 雨宮次生1 松鵜嘉文2

所属機関: 1長崎大学医学部眼科学教室 2まつう眼科医院

ページ範囲:P.93 - P.97

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 広範な脈絡膜循環障害を伴った多発性後極部網膜色素上皮症(以下MPPE)の1例を報告した。症例は基礎疾患を何ら有しない41歳男性で,過去に2回右眼に中心性漿液性網脈絡膜症の診断のもとに治療をうけた既往歴がある。今回両眼は変視症を自覚し,眼所見としては,前眼部には炎症所見は認められず,後極部網膜に扁平な漿液性網膜剥離と,ドーナツ状浸出斑が認められた。螢光眼底撮影では,脈絡膜背景螢光に充満遅延と欠損があり,一部脈絡膜血管も認められた。病変の主座は脈絡膜毛細血管板にあると推測され,網膜色素上皮の変化は,それに続発したものと考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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