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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻10号

1989年09月発行

文献概要

特集 眼科外来診療マニュアル—私はこうしている 集学的治療に必要な他科の知識

アトピー性皮膚炎—いま,皮膚科では

著者: 石川英一1

所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.1652 - P.1654

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病態
 アトピー性皮膚炎はアトピー性素因を基盤として発症する慢性湿疹型皮膚炎である。皮膚炎の発症機序として,他のアトピー性疾患同様,重症例では,IgE抗体によるⅠ型アレルギー反応が誘因または悪化因子として重視される。また抗原としては,多くの例でダニ抗原が問題になる。食餌抗原で悪化する例も多くはないが,ある。しかしながら他方,軽症例では角層内水分透過性の亢進,種々の刺激に対する皮膚の過敏反応などが関係して,皮膚内外から侵入する刺激物質に対し,炎症が発生し易くなり(irritable skin),その結果いわゆる一次刺激性(非アレルギー性)慢性皮膚炎を惹起すると考えられる。以上要約して,アトピー性皮膚炎では個々の症例においてその発生機序が必ずしも同一でない点に充分注意する必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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