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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻11号

1989年10月発行

文献概要

臨床報告

ステロイドで視力改善した側頭動脈炎の確定診断例

著者: 松村美代1 鍵本伸二2 松村理司2

所属機関: 1兵庫県立尼崎病院眼科 2市立舞鶴市民病院

ページ範囲:P.1683 - P.1686

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 生検により確定診断した側頭動脈炎で,右眼虚血性視神経症を伴った症例に,ステロイド治療を行った。後頭部痛で発症し,初診時視力は指数弁で,視神経乳頭には著明な蒼白浮腫を認めた。迅速な診断のもとにプレドニソロン80mgから開始したステロイド治療により,視力は0.5まで改善したが,視野は中心から耳側のみを残して著明に狭窄したままで,改善をみなかった。右浅側頭動脈は生検により巨細胞性動脈炎の所見を示した。高齢者の頭痛と視神経乳頭の蒼白浮腫を認めた際には,側頭動脈炎を忘れてはならず,早期に確定診断の努力とステロイド治療を行うべきである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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