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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻11号

1989年10月発行

文献概要

臨床報告

マリオット盲点拡大症候群の2例

著者: 石田麻美1 湯田兼次1

所属機関: 1横浜市立大学医学部眼科

ページ範囲:P.1703 - P.1707

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 われわれは視野測定で片眼性にマリオット盲点拡大以外の異常がみられず,検眼鏡的に乳頭浮腫のない,いわゆるbig blind spot syndromewithout optic disc edemaの2症例を経験した。何れも軽度の視力低下と色覚異常を認めるほか,検眼鏡的にも,螢光眼底造影にても盲点拡大を説明できる異常は認めなかった。網膜電位図(ERG),視覚誘発脳波(VEP),CTスキヤン等の検査では異常は捕えられず,photostress recov-ery testで患眼の回復時間の延長を認めた。瞳孔入力障害がみられたこと,経過中に傍中心暗点が見られたこと,ステロイドの効果がみられたことなどにより視神経障害である可能性が高いと考えられた。
 Big blind spot syndromeの本態は不明だが,これまでの症例報告から視野変化として盲点拡大のみが見られる疾患群として捉らえ,その原因別分類が必要と思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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