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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻11号

1989年10月発行

文献概要

臨床報告

後房レンズ挿入術後のフィブリン反応—予防のためのステロイド結膜下注射

著者: 山本修士1 前田直之1 佐藤勝1 松田司1 真鍋禮三1

所属機関: 1大阪大学医学部眼科

ページ範囲:P.1760 - P.1762

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 本研究は,後房レンズ挿入術後早期のステロイド結膜下注射が術後のフィブリン反応の抑制に有効であるか否かを評価するために行われた。老人性白内障に対して後房レンズ挿入術を行い,術中および術後1日目に特に著しい合併症(眼圧上昇,前房内出血など)を認めなかった症例を対象とした。対象107眼のうち35眼を任意に選び出し,術後2〜3日目にステロイド結膜下注射を行った(ステロイド投与群)。他の72眼には,ステロイドの結膜下注射を行わなかった(ステロイド非投与群)。その結果,フィブリン反応の頻度は,ステロイド投与群においては8.6%であったが,ステロイド非投与群では,45.8%と有意に多かった。これらの結果から,術後早期のステロイド結膜下注射が後房レンズ挿入術後のフィブリン反応の抑制に有効であることが示された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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