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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻11号

1989年10月発行

文献概要

臨床報告

裂孔原性網膜剥離例を発端者とする家族性滲出性硝子体網膜症の19家系

著者: 大久保好子1 大久保彰1 清水由花1 金上貞夫1 清水昊幸1

所属機関: 1自治医科大学眼科

ページ範囲:P.1763 - P.1767

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 裂孔原性網膜剥離例を発端者とする家族性滲出性硝子体網膜症(FEVR)19家系53例を調査し,FEVRの眼底表現型と剥離の関連性,および家系内での剥離関連病変について検討した。FEVRの表現型は発端者の剥離眼で周辺部変性型が16眼(84%)と大多数を占め,牽引乳頭型2眼(11%),鎌状剥離型1眼(5%)で周辺部変性型が剥離との関連において最も重要と考えられた。また家族内では39例のFEVRを確認し,周辺部変性型が66眼(85%)を占め,本型を見逃さないことがFEVR診断の鍵であると考えられた。また発端者の家族で裂孔形成13眼,網膜剥離1眼,網膜剥離の既往2眼で計16眼(21%)に剥離関連病変がみられた。以上からFEVRは裂孔原性網膜剥離の基礎疾患として充分に認識する必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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