icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻11号

1989年10月発行

文献概要

薬の臨床

運動後の血圧と脈拍数に及ぼすbetaxololとtimolol点眼の影響—健常人での交叉二重盲検試験

著者: 中島光好1 渡辺郁緒2 植松俊彦1 長嶋悟1 水野淳広1 松野浩之1 山崎玉仁1 米虫節夫3

所属機関: 1浜松医科大学薬理学教室 2浜松医科大学眼科学教室 3近畿大学農学部農芸化学科(コントローラー)

ページ範囲:P.1777 - P.1785

文献購入ページに移動
 日本人の健常男子志願者12名を対象とした交叉二重盲検試験を実施し,0.5%betaxolol点眼液,placebo,0.5%timolol点眼液の運動負荷後の脈拍,血圧に対する影響を検討した。本試験は7日間以上のwashout期をはさむ3つの試験期(Trial Ⅰ〜Ⅲ)から成り,各trialにおいてラテン方格に従って無作為に割付けられた3種類の被験薬を各被試験者に順次点眼した。被験薬点眼前後の脈拍および血圧を安静時と負荷時で測定し評価した。
 本試験において,0.5%betaxolol点眼液の脈拍,血圧に対する作用は,placeboとの間に有意差を認めなかった。しかし,0.5%timolol点眼によって脈拍は有意に低下した。また,0.5%betax-olol,0.5%timololともに有意な眼圧下降作用を示したが,その効果は0.5%timololの方が大であった。
 Betaxolol点眼液はβ1—選択性が高く,呼吸器系に対する作用が少ないことは既に報告されており,今回心血管系への影響も認められなかったことにより,緑内障治療薬として安全性の高い点眼液であると結論された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?