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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻12号

1989年11月発行

文献概要

臨床報告

眼内レンズ挿入術における術中縮瞳・術後炎症に対するケトロラックトロメタミン点眼液の効果

著者: 天野史郎1 鈴木雅信1 増田寛次郎1

所属機関: 1東京大学医学部眼科

ページ範囲:P.1809 - P.1812

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 プロスタグランディンズ合成阻害作用を有するケトロラックトロメタミン(KL)の水性点眼液を用い,眼内レンズ挿入術における術中縮瞳,術後炎症に対する効果を定量的に検討した。対象は水晶体嚢外摘出術+後房レンズ挿入を行った老人性白内障で,基剤投与群10眼,0.1%KL投与群11眼,0.5%KL投与群11眼,計32眼で,各群とも術前は3,2,1時間,30分前,術後は1日3回点眼した。術前と水晶体皮質吸引後の瞳孔径,術後前房内炎症について検討した。術後炎症はレーザー・フレア・セル・メーター(FC1000®興和KK)により術後4週目まで測定し,フレアー値は牛アルブミン濃度に換算した。
 前房内蛋白濃度についてみると,0.5%群は0.1%群に対して有意差は認められなかったが低値を示し続け,基剤群に対しては1日目から2週目まで有意に低かった。0.1%群は基剤群に対して2日目から1週目まで有意に低かった。
 細胞数は,基剤群が最高値を示し続けたが,蛋白濃度ほど差はなかった。術中の縮瞳率は,0.1%群,0.5%群とも基剤群より低値を示した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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