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増殖性糖尿病性網膜症に対する硝子体手術,レンゼクトミーおよび後房レンズ移植の同時手術
著者: 桂弘12
所属機関: 1慶大眼科 2オークランド大学
ページ範囲:P.1843 - P.1843
文献購入ページに移動 増殖性糖尿病性網膜症に対して硝子体手術,レンゼクトミーおよび後房レンズ移植の同時手術を施行した19例21眼について検討した。適応は眼圧が正常で,虹彩新生血管がなく,手術操作に支障をきたすと思われる水晶体混濁を認め,3ヵ月以上後極部網膜の観察が困難な硝子体出血または黄斑部の牽引性網膜剥離の存在する症例とした。術式は,まず毛様体扁平部より,レンゼクトミーを前嚢を残したまま施行し,つづいて通常の硝子体切除,網膜前膜の除去,止血,光凝固を施行した。その後,強膜創を一時的に閉鎖し,角膜輪部切開を行って,後房レンズを前嚢の前に挿入し,ciliary sulcusに固定した。角膜創を縫合し,最後に扁平部より前嚢を中央部のみ切除した。6ヵ月の経過観察中,2眼で網膜剥離をきたし,硝子体手術と強膜バックリングによる再手術を施行した。また,硝子体腔の残存出血のために液体ガス置換術を1眼に,光凝固の追加を1眼に,眼内炎のために抗生物質の眼内注射を1眼に施行した。6ヵ月後の術後視力は16眼(76%)で改善し,4眼(19%)で不変,1眼(5%)で悪化した。また,最高矯正視力は0.1以上が16眼,0.5以上が6眼であった。2眼において残存網膜剥離に関連した虹彩新生血管と角膜浮腫を認めた。
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