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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻12号

1989年11月発行

文献概要

臨床報告

VDT作業による眼精疲労の検討—内田クレペリン精神検査を指標として

著者: 竹本勇1 桐生純一2 浅見勗3 谷口節子3

所属機関: 1浜松労災病院眼科 2京都大学医学部眼科学教室 3浜松労災病院精神神経科

ページ範囲:P.1869 - P.1874

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 VDT (Visual Display Terminal)作業者10名の眼精疲労を心因的側面から捉えるために,内田クレペリン精神検査を指標として,一般事務作業者5名を対照にして検索した。それぞれ,2時間のVDT作業,または一般事務作業を負荷作業として行わせ,その前後に内田クレペリン精神検査,眼科的諸検査を行って各パラメーターについて検討した。その結果,検査作業パターンの分析からVDT作業,一般事務作業両者ともが,作業者の心理的ストレス要因になっていることが窺われた。しかしこれを含めて他のどのパラメーターも,VDT作業と一般事務作業の間に有意の差が認められず,短時間のVDT作業による疲労感に及ぼす心因的影響は,内田クレペリン精神検査で捉えられる様な心的変化とは質の異なるものであることが推測された。しかし負荷作業条件の変更を含め,いろいろな状況下にあるVDT作業者に本検査を行うことにより,その心的変化を客観的に評価できる可能性があると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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