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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻12号

1989年11月発行

文献概要

薬の臨床

慢性閉塞性肺疾患を合併する緑内障患者の肺機能に及ぼすbetaxolol点眼の影響

著者: 滝沢敬夫1 宮本昭正2 佐野靖之3 松元俊4 木田厚瑞5 竹中康雄6 中沢浩亮7 松原正男8 渡辺勝之延9 岩崎ゆり10 北沢克明11 米虫節夫12

所属機関: 1東京女子医科大学第一内科 2東京大学医学部物療内科 3同愛記念病院内科 4同愛記念病院眼科 5東京都老人医療センター呼吸器科 6東京都老人医療センター眼科 7東京共済病院内科 8東京共済病院眼科 9あそか病院アレルギー内科 10あそか病院眼科 11岐阜大学医学部眼科 12近畿大学農学部

ページ範囲:P.1875 - P.1882

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 慢性閉塞性肺疾患(特に喘息)を合併する高眼圧症あるいは緑内障患者に対するbetax-olol点眼液の安全性を検討する目的で3ヵ月間のオープン試験を実施し,次の成績を得た。
 1)試験期間中,0.5%betaxolol点眼液1日2回点眼で有意に眼圧は下降した。
 2)0.5%betaxololの点眼で試験期間中,眼局所に対する副作用はみられなかった。
 3)慢性閉塞性肺疾患を有する患者への0.5%betaxolol点眼液の長期投与で呼吸器機能の低下や臨床所見の悪化は認められず,見るべき副作用はなかった。
 4)これらの結果は,慢性閉塞性肺疾患を合併する高眼圧症あるいは緑内障患者を対象として米国および諸外国で行われた0.5%betaxololの呼吸器に対する安全性試験の結果とも良く一致した。
 以上より,0.5%betaxolol点眼液は慢性閉塞性肺疾患を合併する緑内障患者および高眼圧症患者の眼圧下降に有用であり,全身的副作用のない安全な薬剤であると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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