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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻13号

1989年12月発行

臨床報告

糖尿病患者のシルマー検査成績

著者: 星野美佐子1 星野照夫2

所属機関: 1聖マリアンナ医大眼科 2聖マリアンナ医大第一内科

ページ範囲:P.1917 - P.1920

文献概要

 糖尿病患者における涙腺の自律神経支配の障害の有無を検討するため,糖尿病患者27名,54眼にシルマーテストⅠ法の変法を施行し,涙液の基礎分泌を測定し,同時に検査した自律神経障害のひとつの指標を示すと考えられる心電図CVR-R%と比較検討し,さらにHbA1C,眼底所見,および神経障害の有無を検討した。
 糖尿病患者の基礎分泌は平均8.33mm/5min.であったが,この値は年代の上昇と共に低下傾向を示した。シルマー値とCVR-R%は相関関係が認められ,シルマー値の減少は涙腺の糖尿病性自律神経障害が原因のひとつと考えられた。
 インスリン注射施行者,眼底所見が糖尿病性網膜症Scott Ⅲ以上,あるいは糖尿病性神経障害症状のある患者は,シルマー値もCVR-R%も非常に低い値を示した。シルマー値とHbA1C,またCVR-R%とHbA1Cの間には有意の相関関係は認められなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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