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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻13号

1989年12月発行

文献概要

臨床報告

松果体腫瘍を伴い三側性と思われた網膜芽細胞腫の1例

著者: 大西克尚1 熊野祐司1 木村一賢1 倉員健一2

所属機関: 1九州大学医学部眼科 2田川市倉員眼科

ページ範囲:P.1925 - P.1928

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 両側性網膜芽細胞腫に松果体腫瘍を合併した三側性と思われる網膜芽細胞腫を報告した。
 症例は1歳9ヵ月の男児で,両親が患児の左眼が光るのに気づき,その2ヵ月後に近医で両眼の網膜芽細胞腫と診断され,九州大学眼科を紹介されて受診し,即日入院した。左眼は直ちに摘出され,病理組織検査で分化型網膜芽細胞腫であった。右眼に対してはヘマトポルフィリン誘導体を用いた光化学療法が3回行われ治癒した。その後,経過良好であったが,初診から6ヵ月後頃より嘔吐が毎日出現し髄液検査で細胞増多が認められた。CT検査で初診時には認められなかった松果体腫瘍が証明され,その部に対し40Gyの放射線と化学療法が施され一時寛解したが,初診から15ヵ月後に永眠した。
 本例の松果体腫瘍は組織学的検査は行われなかったが,臨床的に三側性網膜芽細胞腫と診断され,CT検査の重要性が再認識された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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