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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻2号

1989年02月発行

特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(1)1988年9月 東京

学会原著

原田病の遷延例に関する統計的観察

著者: 田内芳仁1 三村康男1 藤田善史1 水井研治1 松田聡1 湯浅武之助2

所属機関: 1徳島大学医学部眼科 2大阪大学医学部眼科

ページ範囲:P.129 - P.132

文献概要

 1968年から1987年に原田病と診断し,治療を開始した86症例を,初発病変部位から,後極部剥離型,乳頭周囲浮腫型,前眼部病変型の各病型に分け,それぞれ遷延例を治癒例と比較検討した。遷延例は全症例の36.0%で,後極部剥離型に比べ乳頭周囲浮腫型で有意に多く認められた。患者は20,30歳代に最も多かったが,20歳代は遷延例が16.7%と低値であった。眼外症状は各病型とも遷延例の方が高頻度で,特に白髪,脱毛,皮膚白斑は有意に遷延例に多く認められた。夕焼け状眼底は,後極部剥離型,乳頭周囲浮腫型の遷延例の約90%,治癒例の約70%に出現し,全体で遷延例のほうが治癒例よりも有意に高頻度に出現した。ステロイド療法に関しては,後極部剥離型の遷延例12例中9例が10日以前に治療を開始し,600mg未満でも以上でも,遷延化率は余り変わらなかったことから,ステロイド大量療法については,病変の程度により再検討する必要があると思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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