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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻2号

1989年02月発行

特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(1)1988年9月 東京

学会原著

液体フルオロカーボンによる術中網膜復位

著者: 坪井俊児1 檀上真次1

所属機関: 1大阪大学医学部眼科

ページ範囲:P.147 - P.150

文献概要

 液体フルオロカーボンの一種,perfluoro-tributylamine (FC−43,C12F27N)を重症網膜剥離にたいする硝子体手術のさいの網膜固定を目的として11例12眼に使用した。周辺部裂孔性網膜剥離では,FC−43を注入することにより網膜は後極部より押し拡げられるように復位してゆき,網膜下液は周辺部の既存裂孔より自然に排液された。下方が浅く剥離した無裂孔性網膜剥離では FC−43を注入した状態でバックル上に眼内光疑固を加えて復位せしめた。またFC−43を注入した状態で,黄斑円孔性網膜剥離における黄斑円孔の眼内光疑固による閉鎖が可能であった。FC−43は12眼中10眼では術中に,2眼では術後1〜2週間で除去した。硝子体手術の補助手段としてFC−43の有用性を確認できた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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