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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻2号

1989年02月発行

文献概要

特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(1)1988年9月 東京 学会原著

Terson症候群の4例

著者: 太田眞理子1 藤原英理子1 河野剛也1 三木徳彦1 鈴木俊久2 得能永夫2 宮川秀樹2

所属機関: 1大阪市立大学医学部眼科 2多根病院脳神経外科

ページ範囲:P.151 - P.154

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 くも膜下出血患者24例中にTerson症候群の4例(16.7%)を経験した。これは諸家の報告(1.4〜5.1%)と比較して有意に高率であった。3例は破裂脳動脈瘤に,1例は頭部外傷によるくも膜下出血を伴った急性硬膜下血腫への合併であった。破裂脳動脈瘤に合併したTerson症候群は脳神経外科学的重症例に多く,発生機序における頭蓋内圧亢進の関与が示唆された。
 硝子体出血は約3ヵ月後にはロート状後部硝子体剥離をきたし,硝子体手術の予後は比較的良好であった。両眼視力障害例では硝子体手術による視力回復と共に,精神症状の改善とリハビリによる機能回復が促進された。この様な症例には出血の自然吸収を待たずに後部硝子体剥離が生じた以降で,より早期の手術が必要と考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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