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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻2号

1989年02月発行

特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(1)1988年9月 東京

学会原著

硝子体注入された気体の問題点—3.硝子体置換された気体と再剥離

著者: 古川真理子1 高木均2 山本文昭3 上野聡樹1

所属機関: 1大津赤十字病院眼科 2公立豊岡病院眼科 3京都大学医学部眼科

ページ範囲:P.155 - P.158

文献概要

 難治性網膜剥離に対する硝子体手術において,初回に気体(空気あるいは空気とSF6の混合気体)による硝子体置換を併用した130例130眼について,その復位率を中心に再剥離に影響を及ぼす因子について検討を行った。再剥離症例に対して以後同様操作を繰り返し行った場合,最終的には最高3回の手術にて症例の73.1%が復位した。非復位症例では,気体存在中に再剥離を来した症例が,空気金置換の場合では62.5%,SF6と空気混合気体による置換では70%も存在し,空気単独より眼内存在期間の長いSF6を混入しても,再剥離率は低下しなかった。黄斑円孔29眼では93.1%が復位した。術前の剥離範囲の検討では,全剥離症例では66.7%,2象限にとどまる剥離例では94.7%が復位した。気体全置換は,黄斑円孔や術前の剥離範囲が比較的狭い症例においては,良好な成績が得られる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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