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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻2号

1989年02月発行

文献概要

特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(1)1988年9月 東京 学会原著

白内障発症の危険因子

著者: 矢田浩二1 藤原隆明1 山本晃1 伊藤健二2 津山弥生2

所属機関: 1杏林大学医学部眼科 2伊勢原協同病院眼科

ページ範囲:P.159 - P.163

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 人間ドック受診者2,243名(男性1,543名,女性700名)を対象に,白内障発生の危険因子について疫学的検討を年代別に行った。白内障の診断は,散瞳した水晶体の細隙灯観察とCAT-ARACT CAMERAを用いた徹照像撮影により徹照像から判定した。
 糖尿病者(50歳代)の白内障有病率は正常者に比べ有意に高かった(P<0.01)。また糖尿病者では放射状陰影(50歳代),小胞状陰影(40歳代)が正常者に比べ有意に高率に認められた(P<0.05)。
 男性の貧血者(50歳代,60歳代)の白内障有病率は正常者に比べ有意に高かった(P<0.05)。女性は男性に比べ,肥満者は正常者に比べ,また分娩回数の多い者は少ない者に比べ,白内障有病率が高い傾向にあったが有意差はなかった。
 Na,K,Cl,GOT,GPT,TP,A/G,PSP, Creatinine等の血液生化学因子や,喫煙習慣,職業(第1第2次産業と第3次産業)等の因子では,いずれも白内障との相関は認められなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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