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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻2号

1989年02月発行

特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(1)1988年9月 東京

学会原著

インドメタシン点眼の術後前房蛋白濃度と細胞数への影響

著者: 釣巻穣1 澤充2 清水昊幸1

所属機関: 1自治医科大学眼科 2東京大学医学部付属病院角膜移植部

ページ範囲:P.183 - P.186

文献概要

 インドメタシン点眼が術後前房蛋白濃度と細胞数,後期フィブリン発現率に及ぼす影響を検討した。対象は老人性白内障で計画的嚢外法により後房眼内レンズを挿入,術後インドメタシンを点眼した30例30眼(点眼群)で,術後非点眼の49例49眼(対象群)と比較した。インドメタシンは術翌日から7日間まで0.5%油性点眼液を1日3回点眼し,フレアセルメーターで前房蛋白濃度と細胞数を測定した。点眼群の前房蛋白濃度は術翌日中央値610mg/dl (ウシアルブミン換算,以下同様)と高値であったが2日目以降急速に低下した。3日目以降は全例290mg/dl以下となり,術後2日目以降対照群と有意の差を認めた(P<0.01)。細胞数も術後順調に低下したが両群間に前房蛋白濃度ほど明確な差はなかった。後期フィブリンは全く認めず,対照群の発現率31%と有意の差を認めた(P<0.01)。以上よりインドメタシン点眼は術後早期から良好な血液房水柵修復をもたらしたフィブリン発現を抑制すると考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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