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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻2号

1989年02月発行

文献概要

臨床報告

硝子体内脱臼水晶体の治療

著者: 山田佳苗1 松村美代1 後藤保郎1 林倫子2

所属機関: 1兵庫県立尼崎病院眼科 2神戸逓信病院眼科

ページ範囲:P.251 - P.254

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 58歳男性の硝子体内脱臼水晶体をオキュトームにより経毛様体扁平部水晶体切除術と硝子体切除術を施行し,良好な結果を得た。前医にて水晶体脱臼,水晶体偽落屑症候群,続発性緑内障と診断され,トラベクロトミー,レーザートラベクロプラスティーを施行されたが,眼圧が下降しないため当科を紹介され,輪状締結術,経毛様体扁平部水晶体切除術と硝子体切除術を施行し,薬物療法なしに眼圧を正常化できた。眼圧上昇の原因は水晶体偽落屑症候群よりも,脱臼水晶体によるぶどう膜炎からの続発性緑内障であったと考えられた。過去に硝子体内脱臼水晶体が自然破嚢し,それによるぶどう膜炎と続発性緑内障をおこしたが,全身状態が悪く,手術不可能で失明に至った症例を経験している。安全な術式が確立された今日,脱臼水晶体が成熟あるいは過熱白内障の状態であれば,重篤な合併症を起こす以前に積極的に手術すべきであろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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