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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻2号

1989年02月発行

文献概要

臨床報告

汎網膜光凝固後増悪した黄斑浮腫と滲出斑に対する追加光凝固

著者: 斉藤喜博1 木坊子敬貢2 岡本茂樹1 宮川陽子1 中谷一1 藤田峻作3

所属機関: 1大阪厚生年金病院眼科 2淀川キリスト教病院眼科 3大阪厚生年金病院内科

ページ範囲:P.255 - P.259

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 糖尿病性網膜症にたいして汎網膜光凝固(PRP)を施行した後,黄斑部のびまん性浮腫が増強し中心窩に滲出性白斑が沈着した7例に対して,黄斑部に乳頭黄斑線維束を除く馬蹄形のアルゴンレーザー追加凝固を施行した.
 全例で滲出斑は軽快,消失し検眼鏡所見は改善したが,6ヵ月後の視力は,改善1例,不変5例,悪化1例であった。自覚所見は5例で改善し,悪化したものはなかった。滲出斑をきたした症例は高血圧,腎症などを合併した例が多く,他眼にも黄斑部病変が強くみられた。
 このような黄斑部追加凝固の適用により検眼鏡所見,自覚症状は改善するものの,視力回復には有効とはいえなかった。PRP後に黄斑浮腫が増悪した症例には早期に追加凝固の適応を考えるべきであり,さらにそのような症例を事前に判別し,視力低下をきたさないPRPの方法が考案されるべきであると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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