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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻2号

1989年02月発行

文献概要

臨床報告

頭頸部損傷患者の調節準静的特性

著者: 近江源次郎1 木下茂1 大路正人2 中林正雄2

所属機関: 1大阪大学医学部眼科 2大阪労災病院眼科

ページ範囲:P.261 - P.264

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 25歳から39歳までの眼精疲労を訴える受傷後1年以上経過した頭頸部損傷患者7例13眼,VDTによると考えられる眼精疲労患者7例14眼,屈折異常以外の眼疾患を持たない正常者11例11眼について調節の準静的特性を他覚的に測定し,調節安静位の変動幅と他覚的調節幅について検討を行った。その結果,頭頸部損傷患者7例13眼は,不随意的変動パターンから,調節痙攣様の調節変動幅の著明に大きい群(調節痙攣型)〔4例7眼〕(年齢34.8±6.7歳)と調節麻痺様の調節変動幅が正常で調節力がほとんど存在しない群(調節麻痺型)〔3例6眼〕(年齢31.7±5.5歳)に分かれ,その中間をしめすものは存在しなかった。調節安静位における屈折値の変動幅(Diopter)は調節痙攣型の頭頸部損傷患者(2.1±0.9)とVDTによる眼精疲労患者(1.0±0.3)において,正常者(0.6±0.2)に比べ有意に増大していた。他覚的調節幅(Diopter)については,調節痙攣型の頭頸部損傷患者(2.2±1.0)と調節麻痺型の頭頸部損傷患者(0.7±0.3)の両群において正常者(4.6±1.6)に比べ,有意に減少していた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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