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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻2号

1989年02月発行

文献概要

臨床報告

ステロイドパルス療法が奏効した側頭動脈炎の1症例

著者: 麻生伸一1 佐藤幸裕1 島田宏之1 川村昭之1 松井瑞夫1

所属機関: 1日本大学医学部眼科

ページ範囲:P.271 - P.274

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 メチルプレドニゾロン大量投与によるパルス療法が著効を示した側頭動脈炎の1例を報告した。症例は60歳男性で,右眼視力低下と眼痛,前頭部痛を主訴として来院した。右眼視力は指数弁(矯正不能)で,高度視野狭窄をみとめ,全身的には赤沈,CRP高値などがみられた。入院後右側頭部に腫脹,圧痛がみとめられたため,側頭動脈炎と臨床的に診断した。左眼にも視力低下を生じたため,メチルプレドニゾロンのパルス療法を行った。パルス療法後に行った生検では,巨細胞性動脈炎の所見は得られなかった。
 パルス療法後両眼の視力および視野は著明に改善し,重篤な副作用もみとめなかった。血管組織の炎症を軽減して虚血状態を早期に改善し,不可逆的変化を最少限にとどめるという意味で,パルス療法は有用であると考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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