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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻2号

1989年02月発行

文献概要

文庫の窓から

歇氏眼科学

著者: 中泉行信 中泉行史 斎藤仁男1

所属機関: 1研医会

ページ範囲:P.276 - P.277

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 『歇氏眼科学』はヘーシング氏(F. Hersing)著の『Compendium der Augenheil Kunde』を甲野棐氏が訳したもので,"歇氏"はヘーシング氏の漢字当て字の頭文字をとって書名としたものと思われる。ヘーシング氏のこの眼科書は明治10年前後に東京大学医学部で行われたシュルツェ氏(Wilhelm Schultze)の講義の台本であったといわれている。
 本書の訳者,甲野棐氏は安政2年(1855)4月5日の生れで,明治6年(1873),第一大学区医学校へ入り,同14年(1881)に東京大学全科を卒え,同16年(1883)8月,東京大学助教授となり,眼科主任教授スクリバ氏(Julius Scriba,1849〜1905),眼科教授梅錦之丞氏(1858〜1886)等を補助した。本書の出版は明治19年(1886)であるが,その訳出は甲野棐氏が助教授になった明治16年から同18年にかけてのことと推測される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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