icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻3号

1989年03月発行

特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(2)1988年9月 東京

学会原著

摘出眼内レンズ16例の病理組織学的検討

著者: 重光利朗1 馬嶋慶直1 内匠新吾1 松本高典1

所属機関: 1藤田学園保健衛生大学医学部眼科

ページ範囲:P.295 - P.299

文献概要

 移植期間が,27日間から4年11ヵ月間の摘出眼内レンズ (IOL)16症例と対照の未使用IOLについて,実体・光学・位相差顕微鏡的検索および走査型・透過型電顕的観察を実施して比較検討した。
 後房レンズ(PCL)では光学部の房水側表面に,前房レンズ(ACL)では虹彩側表面に細胞沈着(マクロファージ系細胞など)をおもに認めた。ACLでは支持部にぶどう膜組織が付着していた。PCLおよびACLにおいて,虹彩癒着症例では,光学部の細胞沈着が著明に増加し,遷延性炎症を認めたACL支持部では,リンパ球が多数付着していた。
 IOL表面全域を被覆する厚さ0.01〜0.03μmの微細顆粒状膜様物が,IOLの移植期間,種類に関係なく認められ,ポンソー3R,ニグロシンなどのタンパク質染色陽性,ルテニウム・レッド染色陽性のため,吸着タンパク質層であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら