文献詳細
特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(2)1988年9月 東京
学会原著
摘出眼内レンズ16例の病理組織学的検討
著者: 重光利朗1 馬嶋慶直1 内匠新吾1 松本高典1
所属機関: 1藤田学園保健衛生大学医学部眼科
ページ範囲:P.295 - P.299
文献概要
後房レンズ(PCL)では光学部の房水側表面に,前房レンズ(ACL)では虹彩側表面に細胞沈着(マクロファージ系細胞など)をおもに認めた。ACLでは支持部にぶどう膜組織が付着していた。PCLおよびACLにおいて,虹彩癒着症例では,光学部の細胞沈着が著明に増加し,遷延性炎症を認めたACL支持部では,リンパ球が多数付着していた。
IOL表面全域を被覆する厚さ0.01〜0.03μmの微細顆粒状膜様物が,IOLの移植期間,種類に関係なく認められ,ポンソー3R,ニグロシンなどのタンパク質染色陽性,ルテニウム・レッド染色陽性のため,吸着タンパク質層であると考えられた。
掲載誌情報