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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻3号

1989年03月発行

文献概要

特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(2)1988年9月 東京 学会原著

人眼より摘出された眼内レンズ表面の生体反応

著者: 石橋達朗1 菅井滋1 大西克尚1 佐々木究2 吉富文昭3

所属機関: 1九州大学眼科 2県立宮崎病院眼科 3新川橋病院眼科

ページ範囲:P.323 - P.325

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 3症例より摘出された前房レンズ周囲の生体反応を,主に透過型電子顕微鏡を用いて検討した。これらのレンズは光学部,支持ループともポリメチルメタクリレート(PMMA)からできており,光学部のあった前房内とループが接していた虹彩のPMMAに対する反応の差を観察した。
 支持ループ周囲の虹彩には,血管結合織の増生,多核巨細胞,マクロファージ,線維芽細胞などの浸潤があり,いわゆる異物肉芽腫の形成があったが,前房内にある光学部周囲には一部に多核巨細胞があったものの,典型的な異物肉芽腫の形成はなかった。このように,前房内あるいは後房内では,PMMAに対する典型的な異物肉芽腫の形成が起こらないので,眼内レンズは透明性を保つことができると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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