文献詳細
特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(2)1988年9月 東京
学会原著
文献概要
糖尿病性網膜症,高血圧性網膜症などの場合,軟性白斑,乳頭腫脹,網膜虚血などのため網膜神経線維層の欠損が生じる。孤立性の軟性白斑による網膜感度の低下は5dB以下で幅が5°以下のものが多く,Goldmann型動的視野計ではほとんど検出できないが,オクトパスプログラムFでは検出できる。このような神経線維層の損傷は糖尿病性網膜症における視力低下の一因になりうることを示した。
網膜機能に異常を残すもう一つの重要な因子は,網膜光凝固による網膜神経線維層の破壊である。この障害はキセノン光やアルゴン光で過剰に凝固したときに認められ,適度のアルゴンレーザー(488nm,515nm)やダイレーザー光(577〜590nm)で凝固したものでは,ほとんど障害が認められなかった。ダイレーザーでは網膜神経線維層に対する障害が弱いが,このことは血管新生因子の分泌領域の破壊が少ないことを意味する。長期的に血管新生因子の産生を十分に抑えられるかどうかについては今後さらに検討を要する。
網膜機能に異常を残すもう一つの重要な因子は,網膜光凝固による網膜神経線維層の破壊である。この障害はキセノン光やアルゴン光で過剰に凝固したときに認められ,適度のアルゴンレーザー(488nm,515nm)やダイレーザー光(577〜590nm)で凝固したものでは,ほとんど障害が認められなかった。ダイレーザーでは網膜神経線維層に対する障害が弱いが,このことは血管新生因子の分泌領域の破壊が少ないことを意味する。長期的に血管新生因子の産生を十分に抑えられるかどうかについては今後さらに検討を要する。
掲載誌情報