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特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(2)1988年9月 東京 学会原著
両眼の全周辺部網膜血管閉塞を伴った網膜血管炎の1例
著者: 中村孝一1 魚住博彦1 武田師利1 向野利寛1 坂本博士1
所属機関: 1産業医科大学眼科
ページ範囲:P.339 - P.342
文献購入ページに移動症例は28歳の女性。両眼の硝子体に軽度の白色点状浮遊物を,右眼には軽度の硝子体出血を認めた。両眼底には赤道部より周辺部で網膜血管が認められず,動脈の白鞘化や,螢光眼底検査で動静脈と毛細血管からの螢光色素の漏出が認められた。
ステロイド剤,血管強化剤等の投与やアルゴンレーザー光凝固術に反応せず,無血管野は進行し,2ヵ月後には両眼乳頭から新生血管膜が生じ,硝子体出血を繰り返して,視力は著しく低下した。
最近,本症例と類似の症例が報告されているが,イールズ病とはやや異なると思われた。
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