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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻3号

1989年03月発行

文献概要

特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(2)1988年9月 東京 学術展示

散瞳と眼圧上昇

著者: 金谷いく子1 石井好子1 溝上國義2

所属機関: 1兵庫県立成人病センター眼科 2神戸大学医学部眼科

ページ範囲:P.402 - P.403

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 緒言 狭隅角眼において,散瞳が眼圧上昇を引き起こす危険性が高いことは,周知の事実である。しかし,狭隅角眼に対する散瞳誘発試験の誘発率は,多くて70%程度であるとの報告も見られ,狭隅角のみが眼圧上昇の因子ではない。狭隅角眼において眼圧上昇を引き起こす諸因子の解析は,臨床的に重要であるが,眼圧上昇発作の危険のため,詳細な検討はなされていない。今回我々は,散瞳処置を行った白内障術前患者,および外来患者の隅角所見,散瞳率,使用薬剤,水晶体の状態,年齢と散瞳に伴う眼圧上昇との関係について検討した。
 方法 白内障手術前患者76人76眼(71.9±10.5歳),外来患者43人70眼(41〜83,平均63.6歳)に対し,角膜径,瞳孔径測定,散瞳前のVan Herick所見(0〜4),隅角検査〈Sheie (0〜IV),Shaffer分類(0〜4)〉を行った。白内障術前患者は,術前にミドリンP®,アトロピン®,ネオシネジン®の頻回点眼およびインドメサシン®の3回点眼を行い(以後複数点眼群),30分後,60分後,120分後,手術直前の眼圧と瞳孔径の測定を行った。一方,外来患者は,ミドリンPのみを15分毎に3回点眼し(以後ミドリンP群),15分,30分,45分,60分の眼圧と瞳孔径を測定した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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