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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻3号

1989年03月発行

文献概要

特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(2)1988年9月 東京 学術展示

眼内液生検により診断しえたB細胞性眼内悪性リンパ腫

著者: 大島浩一1 曾我部由香1 清水慶一1 松尾信彦1 元井信2

所属機関: 1岡山大学医学部眼科 2岡山大学医学部第二病理

ページ範囲:P.418 - P.419

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 緒言 臨床所見のみでは診断の困難な眼内炎に遭遇した場合,眼内液を細胞学的に検査すれば,診断が可能になることがある。眼内悪性リンパ腫を念頭においた場合,検体を遠心分離して,沈渣をスライドグラス上に塗抹し,パパニコロ染色あるいはギムザ染色を行う方法,眼内液を遠心分離して電子顕微鏡法を応用する方法,メンブラン・フィルター表面に細胞を吸着させ,パパニコロ染色を行う方法などが採用されている。いずれの方法を用いるにしても,症例によっては,得られた所見の解釈に苦慮することがある。
 最近我々は,54歳の男性で,定型的な眼底所見を示さない眼内悪性リンパ腫の症例を経験した。当初,診断に迷ったが,眼内液を数種類の細胞学的検査法を併用して検討したところ,眼内悪性リンパ腫,大細胞型,B細胞性と診断できた。とくに免疫細胞化学の応用は,眼内悪性リンパ腫の早期診断に有用と思われたので,以下に述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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