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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻3号

1989年03月発行

文献概要

臨床報告

緑内障を合併した表皮母斑症候群の1例

著者: 横江志保1 松尾信彦1 白神史雄1 小山雅也1 豊田英治1 辻俊彦1 古谷朱美1 萬代宏2 寺崎智行3

所属機関: 1岡山大学医学部眼科 2岡山済生会病院眼科 3岡山済生会病院小児科

ページ範囲:P.441 - P.444

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 表皮母斑症候群の1症例について報告した。本症例は,皮膚,骨,中枢神経系および眼のいずれにも病変を有する極めて稀な完全型であり,過去に報告のない先天性緑内障を合併していた。
 眼科的所見としては,右眼は牛眼の状態であり,右眼の上眼瞼腫瘍,両眼の角結膜腫瘍,角膜混濁,角膜新生血管を認めた。また左眼眼底には4ヵ所に隆起性病変がみられ,眼窩CTでは眼球後方に高吸収域の腫瘤様陰影がみられた。病理組織学的には角結膜腫瘍はepibulbar complex choris—tomasであった。
 先天性緑内障を合併した原因としては,本症候群は外胚葉系の異常を主体としており,先天性緑内障の発生が外胚葉系のneural crestの異常によることに関連しているのではないかと考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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