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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻3号

1989年03月発行

文献概要

臨床報告

硝子体注入された気体の問題点—2.部分注入された気体の消退について

著者: 高木均1 古川真理子1 山本文昭1 上野聰樹1

所属機関: 1京都大学医学部眼科

ページ範囲:P.445 - P.450

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 硝子体内気体部分注入術を施行した網膜剥離87例87眼における気体の持続日数を検討し,それが注入量,気体の種類(空気およびSF6ガス),注入眼の状態,気体注入の時期,注入眼に対する手術操作の種類などについて影響を受けるかどうか統計学的に検討を加えた。SF6ガス注入眼における気体持続日数ば空気注入眼より1.5〜1.7倍延長した。注入量が1mlまででは持続日数は注入量の増加とともに延長するが,1mlを越えると必ずしも相関関係を認めなかった。さらに気体注入単独例は,剥離手術に併用して気体注入を施行した場合に比較すると,持続日数が短期間であった。以上の結果より気体注入の合併症を考えると注入量は必要最小限度にとどめるべきで,持続日数に関していえばおおよそ1mlで十分であると考えられた。また,気体注入のみ(特に空気)を行う場合にはその持続日数が比較的短いため気体再注入の必要性が増す可能性についても留意すべきであることが推測された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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