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連載 眼科図譜・273
外傷性網脈絡膜破裂
著者: 鈴木摩里1 樋田哲夫1
所属機関: 1杏林大学眼科
ページ範囲:P.478 - P.479
文献購入ページに移動 緒言 鈍的眼外傷において,前眼部からの介達性衝撃力により眼底後極部に脈絡膜破裂をきたすことはよく知られている。視神経乳頭の同心円状に存在する三日月状の形を特徴とし,時として黄斑部を縦断している。受傷直後には硝子体出血あるいは網膜下出血のために破裂部の確認ができないことが多い。網膜は伸展性に富むために同時に破裂することは極めて少ない。今回我々は,鈍的外傷後の硝子体出血を伴わない網脈絡膜破裂の1症例を経験したのでここに報告する。
症例 21歳男性。サーフィン中に相手とぶつかり肘で左眼を強打された。受傷直後より高度の眼瞼腫脹と皮下出血により開瞼不能となった。受傷2日後に,左視力低下を主訴に当科を受診した。受診時,視力は右1.5(矯正不能),左0.04(矯正不能),眼圧は右16mmHg,左8mmHgであった。細隙灯顕微鏡検査において左眼に2十の細胞を認めたが,前房出血や水晶体脱臼は認めなかった。硝子体は透明で硝子体剥離は存在しなかった。眼底検査において後極部に三日月状の網脈絡膜破裂を認め同部は強膜が露出していた。破裂部周囲の特に耳側網膜は白く浮腫状を呈し視神経乳頭周囲には,網膜下出血を認めた(図1)。
症例 21歳男性。サーフィン中に相手とぶつかり肘で左眼を強打された。受傷直後より高度の眼瞼腫脹と皮下出血により開瞼不能となった。受傷2日後に,左視力低下を主訴に当科を受診した。受診時,視力は右1.5(矯正不能),左0.04(矯正不能),眼圧は右16mmHg,左8mmHgであった。細隙灯顕微鏡検査において左眼に2十の細胞を認めたが,前房出血や水晶体脱臼は認めなかった。硝子体は透明で硝子体剥離は存在しなかった。眼底検査において後極部に三日月状の網脈絡膜破裂を認め同部は強膜が露出していた。破裂部周囲の特に耳側網膜は白く浮腫状を呈し視神経乳頭周囲には,網膜下出血を認めた(図1)。
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