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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻4号

1989年04月発行

特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(3)1988年9月 東京

学会原著

老人性円板状黄斑変性症の早期病変—漿液性網膜剥離期の臨床的特徴

著者: 高橋寛二1 大熊紘1 板垣隆1 宇山昌延1

所属機関: 1関西医科大学眼科

ページ範囲:P.499 - P.505

文献概要

 最近5年間に,老人性円板状黄斑変性症の早期病変として,漿液性網膜剥離期の症例を77例78眼経験した。50歳以上の中高齢者の黄斑部に円板状の扁平な漿液性網膜剥離がみられた場合,常に老人性円板状黄斑変性症の早期病変を念頭におく必要がある。このような漿液性網膜剥離には色素上皮の変性萎縮,ドルーゼン,灰白色あるいは黄色の滲出斑,小出血,硬性白斑を伴っているのが特徴で,螢光眼底造影では典型的な網目状の網膜下新生血管が見られ,ときには点状の螢光漏出を示すことがあった。臨床上,中心性漿液性脈絡網膜症との鑑別が問題になる場台,新生血管を示唆するわずかの随伴症状をも見逃さないことが重要である。このような早期症例の光凝固治療成績は,80%以上に改善が得られ比較的良好であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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